秩父昇天記(13)

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高度を下げていくSくん号。


昨日のバイク弁当を逆に下る。時刻は1010、ならばそろそろ店を開けても良さそうなのだが仕込み中か。立派な看板を出しているからには、まだやる気はありそうなのだが。鉄騎も減りつつある今日、どうかがんばって貰いたい。多分買わないけど。

乗車中のはSくん号だし、ロガーも持っていないから、走った経路は定かにしがたい。だがSくんR140をそのまま行ったのではなく、山に入った事は確か。昨日見覚えのある道を行く。Kくんにもこの景色を見せたいのだろう。山上の公園を過ぎる。

昨日と異なりいい天気。甲乙丙丁が車出しわだかまっている。中には道具取り出して、駐車場でデイキャンなぞせんとする者が居る。ああー、とSくん彩国人の下劣を嘆く。確かに海がないから陰に籠もりやすかろうが、嘆くほど下劣ではあるまいに。


今日は本当にいい天気。お山は遥か遠ざかる。峠を越すと秩父の町が。ちょっとしたいろは坂。くねくねと高度を下げれば、再びR140に戻ってくる。時折ぽつりとナビがしゃべる。目指すそば屋は登録されていたらしい。と何やらそれらしきものが。

ポツンと遠くに見えもした。所がどうにも入る小道が。わかりにくくて過ぎてしまった。そば屋は広い畑の向こうに。点在する家屋に混じって。ずっと向こうに遠ざかる。しばらくそのまま走らせて。戻るかたちで小道に入った。道の端にはいかにもな。

田舎JCがとぼとぼ歩く。さらに小道をくねくね進む。まさにらしい農道と言うべき。そう思って見る家々は。屋敷林に囲まれたのあり。その中にひときわ大きな。陽を遮るクヌギだろうか、の木が立つ。その傍らの百姓家こそ。目指すそば屋であるらしい。


店裏にSくん号を停める。隣にBMWが駐まっている。む、これはもしやケイオー出の医者か。クギで絵ェかいちゃおうか、と言えば、Sくん止めませんからと苦笑する。時刻はこの時1054。開店直前であったらしい。しかし駐車場のやや混み具合。


入れるかしらんと危惧したが、杞憂だった模様。ここはまさに百姓屋敷を改築した店で、古い農具なども置いてある。面白いのは庭の離れで、足湯入れますとチカチカ看板が。店内で下足札を渡されて、奥の座敷と思しき床の間つきの間に通る。


待つ間に客がぞろぞろ増える。どうやら間に合った事らしい。部屋のしつらえはすすけてはいるが、紅梅白梅のふすま絵など、なかなか立派な造作だ。入り口土間を客間と挟んで、厨房に男女何人かの立ち働く声がする。なかなか流行っているらしい。


それでも20分ほどでそばが来た。先に失礼するよ、ととろろそばのKくんに声かける。天上界で毒気が抜けたか、今日の私は腹が減る。Sくん天ざる九去堂天盛り。糖質三昧ですねフフとSくん笑う。いや、こういう時のための糖質制限かも知れぬ。

程なくKくんのそばも来る。残念ながら江戸っ子ならぬ私は、そばの善し悪しが分からないが、コンニャクの如きぷにぷにしたそばが、駅そばより上等であることは分かる。天ぷらも程よくカラッと揚がり、なるほど流行るだけのことはあると賞味する。


そば湯も堪能して店を出た。店前に行列、トイレにも行列。待っていると団塊が来る。列の最後は誰ですかと。傍らの同世代があっちだと言い、団塊去ってケッと毒づく。一方この九去堂は目を丸くした。団塊のくせに日本語の話せる者が居たのだ!!

遥かに聳える武甲山。


初秋のとんぼがちらほら舞った。

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