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ここは三峯山上、Sくんの案内でお社と宿を目指す。
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駐車場からは少し登る。SくんKくん小荷物だが、相変わらずこの九去堂は大荷物だ。パック背負ってコロコロ引いて、階段をてくてく登っていく。長年のモクのせいで、すぐに息が上がりかけたのはここだけのヒミツだ。やたら頑丈な傘杖が有難い。
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3分ほどで境内入り口。三峯の他は奈良の三輪ぐらいにしかないという、三ツ鳥居。しかも三輪のは非公開らしい。通り抜けた所に博物館があるが、今日は通過してまず宿を目指す。やや霧雨が濃くなった。Kくんの晴れ男力にも限りがあるらしい。
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幻想的な参道を行く。人がいないからさらに神さびて思える。こういう景色を弥生人は喜ばないだろうが、縄文人は手を打つだろう。ポンニチ神主の親玉は弥生の末裔たる天皇さんだが、神道の要素には多分に、縄文の色や匂いが残っている。
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その参道の先に、静かに濡れそぼっている大門。素直に、美しい、と思う。私は多分に散文的な男であろうと努めているが、この時のこの舞台装置には、心底の黒な何かが引き出されるような気がする。脳は遺伝子に、そう勝てるものではないかも。
こんな森の中では…
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だがしかし。
かきあげ天。
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へへへへへ、と品の悪い笑いがこだまする。SくんKくんぎょっとしたかも知れない。
中津賢也 黄門じごく変
©中津賢也『黄門じごく変』*
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さらに歩いて本殿に至る。こちらの造作は目出度くも、綺麗に手入れされていた。それを見上げる常人SくんとKくんと、見た目ヤクザの九去堂。思えばヘンな取り合わせ、私が先程来イタズラ心を起こしたように、次にはSくんがその気になったようだ。
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ほらご覧なさい、というようにSくんが指さす。Kくんともどもゲラゲラ笑う。いや個人で参る分にはかまわ…って二人が居るのか。だが天下御免の丸の内リーマンと、親方日の丸お官僚様…いや、これっていわゆる黒いコネクションってやつですか?
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他にも異なものが立ってたりはするが、ここは赤ピーに書き立てられない間に、宿へと逃げ込むことにする。早速フロントで手続きのSくん、終えて説明始める宿オジ一号さん。すいませんがナントカ、と言うから、え~オジさんのせいじゃないですよと言う。
ここで早速笑いが取れた。オジ二号さんに連れられて、エレベータに乗り密室で続きを。さっきのね、ありゃ落語のネタでね。「すみませーん」「おうっ!! 玄関で誰か謝ってるぞっ!!」SくんKくん再度笑い、オジ二号さんからも笑いが取れた。よっしゃ!
何がよっしゃかはもはや曖昧だが。笑いは潤滑剤であるには違いない。部屋は広く、武道合宿なら6人は詰め込まれそう。Kくんお腹が減っていたのか、早速ウェルカムせんべいをボリボリやる。Sくん窓際のソファに腰掛けると、うむむとうなった。
トイメンで偉そうに座る私に訴える。これ、ヘタってますよね。おザブを持ち出して当てたりするから、お、そうかい? と入れ替わった。こんなもんじゃねえの、と私。そのかみ徳島で、水没しかけの腐った畳の宿にも泊まったことがあるからには。
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コレ見て下さい、とSくん。テレビ台の下に古事記が置いてある。はっはあ、君も気付いたかね。さすがは神社の宿坊だけある。ビジホで見るのは新訳聖書か+仏典だが。ただしコーランが置いてあるのを見たことがない。外は霧雨が続いている。
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せんべい囓り終えたKくんに声を掛ける、さっきのビノの使い方だけどね。本来登山だったゆえ軽いのを選び、車中で渡しておいたのだ。正しく使うにはコツが要る。双眼狂の九去堂としては、せっかくなら楽しく快適に、可愛がって長く使って貰いたい。
面白そうに眺めるKくん。
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双眼教の布教は成功のようだ。


*引用の漫画は我が若年期の、ふる古~い作品だが、我が笑いのスジを確かに形成している。その設定では、神話通り帝釈天はド助平、一方阿修羅王は女体化している。斬れば改心するという刀を主人公に渡しに来たかきあげ天だが。
中津賢也 黄門じごく変
涜神は確かな笑いの一種。

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