秩父昇天記(4)

秩父神社を出て盆地をうろうろする。

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このあたりで休日出勤中のKくんから連絡があったようで、昼下がりに駅に着くという。じゃぶらついてメシ食ったあたりでいいところですかね、とSくん言う。同意して全てお任せのこの九去堂、図々しいようだが土地勘がないからそうする他はない。

これはあと知恵だが、秩父は先の絵馬の如く、何作かアニメの舞台になったという。その一つは見たことこそ無いものの、私ですら知っている。それゆえオタの諸君が聖地巡りと称し、秩父のあちこちをうろついたりもするらしい。誠に結構なことだ。

風体がみすぼらしく不潔そうなので、私はオタに混じりたくはないが、諸君はさるべき所にキチンとお金を使う。鉄オタの皆サンとここが違うところで、概して諸君はおとなしくもある、としておこう。萌え萌えの紙袋提げて嬉しそうにしている景色さえ。

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宗教と同じで他人がやる分にはかまわない。この間、神社近くにあった、和同開珎を大書した店舗につきSくんに問う。答えを聞いてシマッタ、この地から銅が献上されてあのコインになったことを忘れていた。使わぬ知識はどんどん出て行くようだ。

それを心得たのかSくん山へと車を進ませる。西武による観光開発の夢のあとなど見える。昔はスケートリンクも山の上にあったらしい。音楽寺などと言う寺もあって、特産のブドウで醸したワインにクラシック聞かせるなんて事もしているらしい。

山を下ると和銅遺跡の看板。大したものは残ってないでしょうがね、とSくん言う。それでもいいからと細道に入って貰う。どうやら細すぎて車では行けないらしい。どうしますとSくん言うので、この雨の中歩く気にはならんわなあとアソーみたく答える。

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丁度その手前に神社があって、ノボリなど和同開珎ゆかりのことをあれこれ主張している。面白そうだから入ってみようとなり、雨に濡れた石段を登る。これ即ち聖神社という。山から出た銅塊がご神体らしく、さらには銭神様として信仰があるらしい。

Sくん拝み九去堂拝む真似をして、見ればキンキラキンのおみくじが無人で置いてある。面白がってSくん引く。先日の西新井と違い吉のたぐいで、当たり障りのないことが書いてある。その他お札の類も並べてあるが、良心商店状態でみな放置中。

放置というか展示中のは他にもあって、御利益で儲かったとの声が貼ってある。甲乙丙丁、私には脱力を誘うことが書いてあったが、白眉は退職金を一千万貰ったというやつ。不始末をしでかさねばそうなって当然の世は、どうも終わったらしい。

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確かに元経営者として、働きもしなかったゴキブリ社員に、退職金呉れてやる気にならぬのはよく分かる。雇われ人としてはブラックにしか居たことがない記憶もある。しかもやりようによっては合法的に、ゴキブリ退治が出来なくもない。面倒臭いが。

それゆえに、役人的組織ではあまりないことだろうが。そんな事を思った所へ、若いカップルの類が上がってきた。先ほど看板の向こうから帰ってきた者でもある。この雨の中連れ回す男もどうかと思うが、最近流行りの歴女と言うたぐいかも知れぬ。

そういえば境内に翻る黄色のノボリは織田家に似ている。永楽銭でなく和同開珎だが。参道の説明看板を読んで不審に思う九去堂。年号が違いやせんかとSくんに言う。Sくん国史は知らないのでと応じる。Sくんばかりでない、この九去堂も実は。

天平前後の年号を勘違いしていたのであった。
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ホントに、よく忘れている。

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