(13):乗騎メイト君と山登り


1/4。丸一日、島で遊んでいられるのは今日が最後だ。朝5時にはがさごそと起き出して、Sさんに貰ったおモチなど焼く。
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頭上では、ぶら下げたラジオが鳴っている。野営中、私が聞くのはいつもNHKだ。行く先が地方だからそうせざるを得ない、気象交通情報が頻繁、という事情のほかに、下らないものがなく情報が濃いからだ。娯楽の番組にも、私のようなものが楽しめる余裕がある。
今日のゲストは建築家の、安藤忠雄氏らしい。住みにくい家を造ることで有名な、大阪の面白いおっちゃんだと記憶している。
安藤忠雄
画像出典:http://goethe.nikkei.co.jp/human/110329/
ラジオの番組は、東北の復興についてどうとか、という内容だった。阪神淡路を身を以て知った氏は、自身の被災経験から、復興のための活動を立ち上げたらしい。偉い人と、偉そうにしているだけの人の違いはここにある。
ラジオから氏の声が聞こえてくる。団塊とそのガキの世代は全く役に立たず、邪魔ばかりする、というようなことを言っている。ホウ先生もそう思われますか、と私は意を強くするが、自身の役立たずは棚に上げる。カネもないし、知らない人がどう困ろうが、それは知らないからだ。
伊豆大島の場合、私にとって知らないとは言えず、前回とても良くしてもらったという記憶がある。だから今私はここでこうして野営しているのだが、知りもしない他人の悲劇を嘆くふりをする、そういう阿呆にはなりたくないなぁと、おモチをにゅーと伸ばしながら考えた。
そんなこんなで、テントの快適をいいことにごろごろしていると、10時になってしまう。火器灯器に燃料を満たし、メイト君の様子を見る。
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防風壁の傍らにつないだおかげで、塩は吹き付けられていない。
11時前にはキャン場を出る。
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今日は「月と砂漠ライン」に行こう。
この月砂ラインは、裏砂漠へむかう3つのコースのうち、一番南にある。
月と砂漠ライン
他の2つがおおむね平原を行くのに対し、月砂ラインは外輪山の稜線を行く。いわば登山ルートだ。
ルートは大島一周道路から分岐する。
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案内の看板を見て左折する。
この道は、空自か国交省の管轄する電波塔の、その維持道路でもある。だから放ったらかしておいてもよさそうなものだが、島の人はちゃあんと、こうしてまろうどが困らぬよう、手作りの看板を立てておいてくれる。
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だというのに、悪事をたくましくする生パンピーは、後を絶たないと見える。
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チュコクチンが来ないとメシの食い上げ、でも連中の不作法と不潔にはうんざりする、そういう全国の観光地と軌を一にしている。
電波塔を通り越すと、舗装はか細くなり、やがてダートとなる。
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ダートはかなり荒れている。おそらく、先頃の天災の影響だろう。住まいなど生活インフラの復旧もまだままならないというのに、ここまで手が回らないのは当たり前のことだ。
その道を、メイト君はものともせずに行く。多少のテクニックは必要だが、馬体が軽いメイト君のこと、その動きを妨げないよう、任せるのだ。
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高度はぐんぐん上がる。
おおむね1105、最高地点である櫛形山と、白石山の間にある鞍部に着く。
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東を見下ろせば、海の向こうに房総半島から三浦半島まで一望。
稜線を見上げれば、その陰に富士山の姿が拝める。
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ここが観光地としての、月砂ラインの1つの終点。
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だが、道はさらに続く。
内輪山を見やれば、その周囲に吹き出したマグマが冷え固まって、岩の海になっている。
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ところどころ、噴気の白い姿もゆらゆら見える。いかにも、第一級の活火山たる御神火様にふさわしい景色だ。
うっかりすればオットットと、稜線を横に滑り落ちそうな道を、メイト君と共に行く。
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かくして櫛形山を越えんとしたのだが、道はどんどん急になる。
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ご主人! これもう無理ですぜ、とメイト君が言うので、下向きに回して馬を止める。アタック、失敗。
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ステッキを取り出しフードかぶって、上り坂を徒歩で行く。踏みしめる地面は主にスコリアで敷き詰められている。揚げたコンペイトウのような粒だから、足音高くザクザクと。
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櫛形山の頂上に着いた。内輪山側の平原には、大水が刻んだ峡谷が見える。
裏砂漠側を眺める。と、そこを驀進するなにやら白いのが見える。
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ツアイス取り出して偵察すれば、色といい形といい、あれはおそらく生パンピー車であろう。
風景を堪能してメイト君の元に戻る。
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月砂ライン
時刻はもうお昼頃。林道を再び戻って高度を下げる。
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さあ、今日は食い道楽をしよう。

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