(12):御神火様を拝む

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大島公園の椿園は、動物園と大島一周道路を挟んだ対面にある。
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なんだかチュコクっぽい書体で書かれているから、「ちん園」と読みたくなる。かつてふざけて椿油売りに扮し、「え~。ちん油ゥ~ちん油ゥ~」とやってしまったことが思い出される。
中に入る。
遥かなる石の細道を踏み分けて、心ぼそく植ゑたる世界中のあらゆる椿あり。木の葉に埋もるる懸樋の雫もなければ、つゆおとなふものなし。かくてもしつらへたるよとあはれに見るほどに、かなたの庭に、大きなる柑子の木の、枝もたわわになりたるが、まはりをきびしく囲はざれば、取って食うも可だがそりゃドロボーだ。
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ただ悲しいかな、私には植物の教養が全くない。食用野草・薬草以外は、今のところ興味を持つ気配もない。残念なことだ。
1345、大島公園を発って御神火様に向かう。
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いや、島そのものが御神火様こと三原山だが、その頂き近くに向かうのだ。
途中、特別天然記念物、大島のサクラ株との看板を見るので寄ってみる。
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しかしここでもまた、無教養の悲しさを感じたのみだった。珍しいものを楽しめないのはほかでもない、おのれのせいである、と私は固く信じている。その対極として故竹内均先生は、新幹線にご乗車中新大阪までずっと、奥さんに地学の講義をなさったという。次々と移り変わる車窓の風景に「コノ。カントーロームソーガ」。偉いのは奥さんだというのは別にして、ただの草藪にしか見えないこの景色も、自分次第で面白くなろうな。
だからめげずにさらに行く。昔を物語る重厚な石橋がひっそりと残されてもいる。
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目指すは登山の拠点、御神火茶屋だ。ただし既に2回登っているから、登山が目的ではない。棲み着かせて頂いてありがとうございますと、挨拶しに行くのだ。神を持たぬ私には、お世話になったと感じる自然や人物以外、拝む対象がない。
御神火茶屋に向かうルートは3つあって、1つは今メイト君を駆っているあじさいレインボーライン、もう1つは島の西北から登る三原山登山道路、最後は御神火茶屋と元町を最短で結ぶ、御神火スカイラインだ。
あじさいレインボーライン
しかしスカイラインは先日被災したまま通行止め。
前回メイト君のみーもー*ぶりと、天空から駆け下りるような爽快感を堪能した思い出の道(下右)だが、やむをえない。
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*2速でみーっ、3速でもぉ~。メイト君は調子を素直に伝えるのでわかりやすい。
あじさいラインと登山道路が交わるあたりから、道の端に延々とケーブルが伸びている。
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怪しがりて寄りてみるに、高圧送電線だった。御神火茶屋周辺への供給路と見たが、一般人の触れうる地面に、6600Vとは珍しい。先日の災害で、送電架線が絶たれたのだろうか。
御神火様の御前、新火口展望台に至る。手を合わせれば雄大な姿が拝め、空はあくまで高い。
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振り返れば海の向こうに、霊峰富士の姿も霞んで望める。
その途上、「割れ目噴火口」と分岐の看板があるので寄ってみる。
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道の舗装は荒れている。
道は途中からダートとなる。メイト君はそれをものともせずに行く。行けるところまで行って、メイト君には待機してもらう。
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シカとは分かりがたいが、なるほど噴火口であるらしい。わずかに水蒸気も上がっている。
私は今、上から歩いて降りてきた。そこへ下から団塊が、娘とおぼしき女性を連れて現れる。敵艦見ユの場面に相違ないが、珍しいことにこの団塊、まともな口を利くので愛想よくする。
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ここからは、直下の元町、その街と港がよく見える。
ふと気付くと元町港に、かめ丸が接岸している。
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熱海や東京とを高速で結ぶ、ジェット船もいるようだ。
島では船の着岸港を、その日の天候で決めている。私は前回も今回も、行き・帰り共に北端の岡田港で上下船した。普段もだいたい岡田港らしいのだが、今日はその気象が厳しいのか。それとも珍しく、元町港が緩やかなのか。
利便性ではたぶん、元町港の方がよいのだろう。ターミナルも立派で新しい。ただ島の人たちにとって、その日の着岸港は大事な情報で、朝になると防災無線でその案内もされる。荷役さんその他関係者のみなさんも、それに従い仕事場を変える。
そんなことを思いつつ、お~い、かめ丸や~い、と眺めていたら、一仕事終えた彼女は桟橋を発っていった。
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前回の記憶があるから一旦御神火茶屋に寄って、引き返して登山道路を降りていく。婦警さんは内地に転勤されたのだろう。
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草原は放牧場になっていて、お馬サンがのんびり過ごしている。
平地まで降りてきた。島の西北部は最大の平野部で、空港や牧場もそこにある。目指しているのは前回行きそびれたふるさと体験館だが、どうも道がよく分からない。というわけで案内看板に近寄ってみる。
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なんと申しますか、こういうタモさんとか、みうらじゅん的なモノが、私はとっても好きだ。
残念ながら体験館はお休み。
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それではと向かった牧場ぶらっとハウスもお休みだった。ま、正月だからねぇ。
ではお湯にでも行こうかと、元町の目抜き通り、ラーメン屋の角を曲がる。
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着いてみると地元ナンバーの、まさに神社仏閣スタイルのベンリィ君が居る。カッコイイ~! 少なく見積もってももう30年選手だろうが、潮風に耐えてよく生き残っているものだ。きっとご主人に可愛がってもらっているのだろう。
お湯を堪能して晩飯に満腹して、ねぐらに帰る。
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帰ればキャン場に居着いている野良にゃんこが迎え出て、なにやらうれしそうな顔をしている。
どうしたんだいお前とふと見ると、干してあったアジのいくつかがなくなっている。
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どうやら風に吹かれて落ちたらしい。にゃんこはごちそうさま、といったところか。人が食うもにゃんこが食うも天の恵み、寒空に空き腹抱えるにゃんこに施したのもよいことだ。


手早く洗濯を済ませ、私もアジを頂く。
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時刻はまだ20時前だが、酒にしよう。ウオッカでロシア文学を、これほどまっとうな時間の過ごし方があるだろうか。
(本日の走行距離:64.6km)

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