(6):耐風の年越し

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ここは伊豆大島、トウシキキャンプ場。2013年大晦日の陽も暮れて、50張りは張れようかという広いキャン場には私のほか、TさんSさん、孤高のチャリキャンパー、そして同年代とおぼしき、夫婦者とソロのスノピさん、計6張りの幕が張ってある。
幕内に年越しの用意を調えた私は、TさんSさんをお招きする。風よけの石垣沿いにテン張りしたチャリさんも誘ったが、いえ私はチャリダーですから、酒もタバコもやりません、明日に備えて独りで、と断ったところが孤高たるゆえんだ。
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なるほど、チャリダーは選ぶテントからして、いかにも身軽で取り回しがよさそうだ。
対して九去堂の滞在型テント、前室を整理すれば、3~4人ほどなら客人を招じ入れ得るのが良いところ。
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1930ごろ、食材やら食器やらもって、TさんSさん来る。Sさん来るや、おせんべい系のつまみを出してくれた。対して私は用意のくさやを炙って振る舞う。くさやはクサい、だがウマい。毛嫌いする人は本当に気の毒だと思う。
お二方は職場の元同僚だそうで、よくつるんで走っているという。私が重装備に見えるらしく、とりわけ灯油焚きの火器灯機を面白そうに見ている。
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対して私は、Sさんの用意の良さにびっくりする。大小の鍋釜だけでない、きちんと整理された調味料に、大きな鶏肉。早速炙られるが、あの小さなカブ君に、どうやって積んでいるのだろうと、自分がメイト騎りであることを忘れて思う。
鶏肉に加えてTさんのニンニクも炙られる。
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ニンニクかぁ。こりゃ冬のアウトライダーにとっては有り難いおつまみだ。そういえば丁度2年前、まさに同じ地面にテン張りして、静岡から来たライダーOさんにも、ニンニクを振る舞って貰ったっけ。
いい塩梅に鶏もニンニクも焼けた。切り分けて貰って私も頂く。調理は一段落とて、ストーブにはヒーターを載せて幕内を暖める。気温はだいたい5℃ぐらいだろうが、今日もまた風が猛烈だからだ。
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本来なら外で焚き火が楽しいが今日もまたそれは出来ぬ。幕内であってもフライシートの裾から風が吹き込んで、TさんSさんずいぶん寒かったはずだが、その代わりボンボン火が焚けるというもの。
天井にぶら下げたラジオからは、紅白の歌声が響いてくる。しかし風音でかき消されがちで、聞くとはなしのBGMに過ぎない。やがてラジオはゆく年くる年モードになる。それに合わせてモチを焼く。
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このモチ、なんでもSさんのご家族?の手になるもののようで、なるほど美味しい。そうこうするうちにラジオからは年始の気配が、島焼酎割りををランタンで人肌にして各自のコップに入れる。
プッ、プッ、プッ、ポ~ン。あけましておめでとう! と新年を祝った。
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さんざん飲み食いして、私は少し催してくる。しからば初ションとて腰を起こすと、お二方も起こして通してくれようとする。
イエお気遣い無く、勝手口から出ますからと、自分側の小ドアをちーっと開けて外に出た。
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風は強いが満天の星空だ。幕を見返せば明かりに透かして、TさんSさんの談笑する姿が映る。庵主として心地よい気分だ。
時刻はすでに1時を回った。庵に戻った私は、用意の年越しそばを進める。
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無論、お二方にはそばの用意があったようだが、お呼ばれしちゃおうかとTさん言い、Sさんの大鍋で3人分をゆでる。
ゆであがった同じ鍋のそばを、各自のコッフェルにとってすする。こうした年越しは何年、いや何十年ぶりだろう。
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食し終わって気分が落ち着く。
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静かな談笑は2時近くまで続いた。
お二方を送り出して床につく。


風はまだ、止まない。

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