(17):猟海霖雨


興部で夜が明けた。予想通りのざんざん雨。
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我が乗騎の右隣は、東京から来た学生C君のツーリングセロー。
ツーセロそのものを滅多に見かけない上、C君の乗騎には頑丈なバンパーまで装備されていたから驚きだ。なんでも、たまたまオクで見つけたと言い、それも格安で手に入れたという。珍品は、機会があるときに買っておかないとね!
さて、チャリダーなど早立ちの旅人は、7時前に、すでにねぐらを去ったのもいる。若いとはいえ、その根性には恐れ入る。
その一人、京大生D君が発とうと準備している。お茶を一杯飲んでいく時間はあるかい? と聞き、振る舞いながら話を聞く。なんでも同郷人らしい。本当に良く、勉強がんばったね~。どうか気を付けて。
残った者の中には、ぐたぐたと発ちたくないナ~、などと言う者もいる。気持ちはわかる。ゆえに私も、昨日買った¥100のカップラーメンなどすすりつつ、のんびりする。
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それでも8時過ぎには出発した。本来の予定では、今回のツーリングのメインディッシュ函岳に向かうはずだが、この天気ではパスするしかない。
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というわけで、今日の目標は最北端宗谷岬と、石油風呂豊富温泉だ。そのあとはリベンジ狙って函岳に、できるだけ近づいておきたい。
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もちろん朝の時点では、ねぐらをどこにしようか決めていたわけではない。
30分ほど走って、セイコマローソン紋別雄武(おうむ)町店でカツゲンを。それと、昨日Bちゃんが持ち込んでいた、フルーツ風味の鏡月を一本。¥768也。
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おっと、水が切れていた。珍しく中南海があったからそれとともに一本、¥515也。
20分ほど休んで、さらに北を目指す。
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初の北海道も北ツーも、まずは最北端を目指した。その記憶は定かでなく、記録は何一つ残っていない。北の旅人が最北を目指すは、たいていそうだと勝手に想像するが、今回もまた目指すには理由がある。
1つはこの紀行の発端に書いたとおり、旅というもののやり直しであり、もう1つは、乗騎に最北端を見せたかったことにある。
それゆえ、ただ坦々と道を行く。
かの連中への対策は十分にしてある。加えてこの天気、連中がワシらを狩りに出る気遣いはまず無い。だから車がいるならいるなりに、いないならいないなりにムチを入れる。
ただ気を付けねばならないのは市街地での事故と、いつ飛び出すかわからないシカの列。前者も大変だが後者も大変で、カモシカとシカいずれも無事では済まず、騎り手の私はたぶんお陀仏だ。
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右は海、左は廃線跡。もっとも、すでに廃止から20年以上を経た今とあっては、そこに線路があったことをうかがわせるものはほとんどない。これは日本海側と対照的で、羽幌線の痕跡は今でも、何となくわかるものだ。
雨はますます激しく、気温も低い。
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9月頭にもかかわらず、シールドが息で曇っているのがおわかりだろうか。
こういう道行きを私は好む。快晴のもと、馬を元気良く飛ばすのも好きだが、雨ざんざん風びょうびょうの中を行くのは、何とはない高揚感があって面白いからだ。ただしそれも天の計らいの許すまで、いつぞやと異なり、命の危険を感じない程度で収まっているからこそ、できること。
枝幸を抜けると、やがて海中に突き出た神威岬が遠くに見えてくる。
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低い雲が今まさに、海から陸に上がり、さらに山へと駆け上っていくのがよく見える。それが延々と、遙か遠くまで続いているのが、雨中に馬を走らせるこの目をわずかに楽しませる。
トンネルで神威岬を抜ける。
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抜ければオホーツク北半の中では比較的大きなまち、浜頓別がある。そろそろ時刻も10時。一休みしよう。
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*猟海:行きがかり上なんとなく、漢字4文字で副題を付けることにしているゆえ、今回は仕方なく造語。

オホーツク:”Охота”(Okhota)とは、「狩猟」という意味である。(wiki)

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