(7):釧路徘徊

スポンサーリンク


釧路は、道東の大都会だ。記憶の限り、鉄の馬で訪れるのはこれで3度目。
9110.png
人口は札幌、旭川、函館に次いでざっと19万。ライダーになじみ深い、苫小牧・小樽より大きい。
その釧路に、初めての時も西から向かった。延々と道を走ったあげく、魚くさいにおいが漂いだして、夕日に輝く大都市が、水平線の向こうから現れた。
しかし今回は雨の中。この釧路では、ぜひ寄ってみたいと願っていて、未だ果たせない場所がある。その和商市場、どういう分けか私の行くときに限って、いつもお休みなのだ。北海道を何度も行き来したライダーにして、和商市場でうまい魚を食べていないとなれば、それはニセモノと言っていいのではないか。
s-P9010148.jpg
(1305)
今回もお休み。
う~ん…。
気を取り直して、ツーリングマップルに載っている、フィッシャーマンズワーフに向かう。そこは名高い、幣舞橋(ぬさまいばし)のたもとにある。
s-P9010150.jpg
やってんのかどうかわからない。
いやたぶん、やってんだろうけど、馬をつなぐ場所とてなく、大友先生描くアキラが出てきそうな複雑高層の建物のあちこちから、しゅうしゅうと湯気が上がっているのみ。ストリートビューではこんな感じ。
9111.png
おまけに有料のでかい駐車場には箱車が鎮座し、そこから甲乙丙丁の団塊が、ぞろぞろと歩いて出てくるのであった。
即座に退避。同じくツーマップルに載っている、レストラン泉屋へ向かう。大都市だけに、一通が多い。
s-P9010133.jpg
(1315)
ここで早くも、馬のつなぎ方に苦労する。過積載ゆえ直立し、通行人がさわっておっとっと、で済めばよいが、ドンガラガッシャンの大けがとなろう。ゆえに街灯をつっかい棒に。
店内に入る。
ここはスパカツなる料理が名物らしい。中に入れば大入りで、大都市の真ん中にして、かつ人通りがぜんぜん無いこのあたりにあって、大いに活況をきたしている。
多くは家族連れであろうそのお客さんのテーブルを縫って、若くそして若かった娘さんがエプロン掛けて、洋食のたぐいを運んでいく。私が案内されたのはまるで風呂屋のざくろ口のような、出膳口近くの2人掛け席であって、長火鉢のごとき鉢植えで、他のお客さんとは隔離されている。そのかたわらには、ざくろ口から出てくる料理をすぐさま運ばんと、娘さん元娘さんが数人待機している。
16988174.jpg 16988175.jpg
画像出典:http://tabelog.com/hokkaido/A0112/A011201/1000970/dtlrvwlst/4888392/16988174/
カッパは乗騎に掛けてきた。それでもびしょ濡れ、席にて鎧かぶとを脱ぎ、持ち運びの小道具などの店を開くが、別に奇異の目では見られない。やはりライダーには慣れている。元娘さんにスパカツを注文すると、すぐさま水をポットでもってきてくれた。おー、よくわかってらっしゃる。
しばらくしてスパカツが来る。テーブルにそれを置こうとした元・元娘さん、あれ、カツ乗ってるかしらといぶかしげな顔をする。なんだか平たいですねぇと私が応じると、ただのスパをすぐさま引っ込めた。
またしばらくして本物のスパカツが来る。¥900也。

お味の方は…なんとも昭和い。ここ数年でずいぶんと、自分の口がおごってしまったことを悟る。
食し終わって店を出る。どうやら雨は止んだようだ。ゆるゆると装束を身につけていると、声を掛けられた。
s-P9010134.jpg
ツーリングですか、すごい荷物ですねェ、私もライダーで、お気を付けて、と同年代の男性が。連れの家族らしき人も面白そうにかもしかⅡ号を眺める。
以前重爆撃機に騎っていたときには、こういう状況で寄ってくるのは団塊ばかりであった。かのクズどもは常に偉そうな口ぶりで、まず「何ccや」などと聞く。それだけでもひねり上げる理由には十分なるが、どうかすると勝手にさわったり、またがろうとする者までいる。斬るには及ばぬが、ジジババ問わず、締め上げるに十分であろう、ドロボーのたぐいだし。
セローに騎り換えてから寄ってくるのは、どうもライダーが多くなったらしい。油断していると、いちおうパンピーも寄りはするが、たちのよい熟パンピーが多いようだ。それなる別の家族連れが次に現れ、先のライダーと同じようなことを言う。北海道寒いでしょう、このあとどこへ、と聞くので、根室へ、と答えれば、あすこはもっと冷えると言う。
これはたまらん。もともと考えていたことであり、スパカツ食いながらタブレットで検索したところでもあるが、どっかフリースとか買えるところ無いでしょうか、と聞く。あ、それならユニクロと即座に言う。春採(はるとり)のあたり、と私の地図を指さしながら。
ヤパシカ。Япашкоではなくやっぱり、あのネズミおやじの店に行かねばならぬのだなぁ。礼を言って家族連れを見送り、それなるユニクロに向かう。

20分ほどで到着。
s-P9010151.jpg s-P9010135.jpg
(1411)
品揃えはさすが北海道だけあって、9月頭というのに、すでにダウンがぶら下がっている。ただしダウンをこれ以上買い込んでも仕方がないし、実のところユニクロ程度のダウンでは中でつぶれて、乗騎装束としてはあまり暖かくない。ゆえにフリースを探すがそれはなく、それっぽい裏地が付いた分厚いパーカを1つ買う。¥2,990也。
レジで重ねてフリースありませんかと問えば、もうちょっとすれば、と答える。バイクですか、ええそうです、寒くて。北海道なめてました、と私が言えば、そういうお客さん多いです、とお兄ちゃん言う。
s-P9010136.jpg計画の誤りから要らぬ物いり、そして荷物を、とは言うまい。帰りの荷が増えることはよくあることだ。それゆえトップケースも、パニアケースの片側も、実は空にしてある。雨もまたぱらつき始めた。店の出口の隅っこで、早速パーカ着用、念には念で、手持ち全部の防寒防水装備を着込む。
…まるでトド・セイウチ・オットセイだが、かの生き物のごときハーレムなぞ私は持たぬ。
さてユニクロを発してさらに東に向かうが、なるべく海沿いの道を通ろうと考えた。それゆえおおまかにはzumo君の言うとおり、実のところ勘に頼って道を行くが、ずいぶんと遠回りしてしまう。燃料のオドメータはそろそろ200だし、釧路を逃すといつ給油できるかわからない。
9112-5.png
うろうろすることしばし、寂れた舗装路を通り抜けて、ようよう本来のるべき、道道142の角に至る。そこにGSがあったので、これ幸いと給油する。
時刻は1445、釧路石炭販売(株)第五桜ヶ丘給油所、6.33L、¥994、オドメータは189kmジャスト。燃費は29.9kmと、だいぶセローらしくなってきた。
主従共に腹を満たして再び走る。
P9010155s.jpg
(1456)
目指すねぐらは40km先だ。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする