(2):船中失策

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というわけで、乗騎かもしかⅡ号と共に私は、フェリーらいらっくの客となる。
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日本海航路は、この大荷物を降ろさねばならんのがつらいわい。棚に上げるのはもっと大変、1棚全部、ワシの荷。
まぁ、やってできないことではない。これは勘弁してもらえませんかと頼んだところ、パニアケース上の荷を、くくりつけたままというお目こぼしがあった。
乗船最初の行動は風呂、次いでサッポロクラシックの購入。¥330也。
乾杯!
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とその前に、洗濯洗濯。
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洗濯機1回¥200、乾燥機30分¥100。まことに良心的。
とはいえ、洗うものと言えば西洋ふんどしなど下着類、そしてタオルが一本。それでも今後のこと、すなわちいつ洗濯できるかわからない事情を考えれば、なるべく余裕を持たせておきたい。
湯から上がってサッポロクラシック一杯やって、そろそろだ、と思いつつ洗濯機に戻ってみる。と、同年代の男性が困惑した表情でその前に立っている。聞けば、中に私のブツがあるのを確認しないまま、お金を入れてしまったらしい。それゆえ洗濯機の水中で、我が西洋ふんどしが二ノ舞を舞っている。
ホウそうですか、お気の毒に、200円無駄になっちゃいましたね、と私が言えば、でも時間が余計に、すみませんすみませんと男性重ねて謝る。いやいや、一層きれいになっていいかも、はっはっは、と言い残してその場を去る。
あ、そうだ、ロッカー確保しとこ、と1つ確保する。タブレットなどを中に入れて、船内散策。
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波は穏やか。子供もすなる夏休みの日記といふものを、このおつちやんもしてみむとて、するなり。三十一日、日照りて雲多し。先にたぶれつと、「おたるのわたり、風雨のおそりあり」と言へば、天気(ていけ)のことにつけて祈る、はずもなし。
ただし今回の航海そのものは順調らしい。
順調でないのは私の方だ。実はこの散策の過程で、私はロッカーの鍵を落っことしていた。それに気づかずベッドに戻り…。
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さてタブレットでも出しに行こうかとポッケをまさぐれば、無い。
私は自分がしっかりしているつもりで、存外、しっかりしていない。
七たび探して人を疑えと言う。ベッドまわり、自分の荷をひっくり返して探すが無い。こういうときは想像が悪い方へ進む。もしや出港を見送ったとき海に落としたか…。
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床周辺の捜索を打ち切って廊下に出る。船内のあちこち、通り過ぎたルートに沿って探してみる。やはり見つからずベッドに戻ろうとすると、ふと、私のハンカチが廊下の手すりにかけられているのに気づく。
ここで、やったか。ただし鍵は無い。万策尽きて案内所に向かう。ナニガシ番のロッカーですが、実はこういう事でして…まことに済みません。ペナルティはお支払いしますから、と言う。
受付のお兄ちゃん、得たりという顔で、中に何入ってますか、と言う、これこれと答えると、お兄ちゃん鍵を取り出してロッカーに向かう。開けば無論タブレットが入っている。ログインしてもらえますか、とお兄ちゃんが言うのでそうしてみせる。
一応本人確認を、ということで免許証を見せる。気を付けて下さいね、と鍵を渡すようにして私に言うので、あの、ペナルティは? と言えば、鍵届いてましたから結構です、とお兄ちゃん応じる。
やれ、うれしや。鍵は腰にラッチで留めた。
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一騒動終えて三たび洗濯機に向かう。
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見れば洗濯機は空っぽ、その代わり乾燥機がゴロンゴロン回っている。ハテどういうことかなと覗いてみたら、中で舞っているのは私の西洋ふんどしだ。
ありゃりゃ、ここまですることないのに。一言お礼でも言おうと、洗濯機前に腰掛けて男性を待つ。
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なかなか来ない。
さらに待つことしばしにして、男性現れる。どうもすみませんね、どこからおいでで? と問えば、彼もまたライダーだった。どうです今夜一杯、とお誘いしたが、この間の呼吸はいわく言い難い。それゆえか、その後この男性を見かけていない。
船はさらに北を目指す。
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それにつれ、雲が、深い。雨もぽつぽつ降ってきた。

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