名古屋出張顛末記(9)

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Fくんと痛飲した翌日、夕刻に仕事を終えて帰途に就く。行くも帰るも、同じセントレアだ。
真っ暗な連絡橋を、名古屋鉄道に乗って向かう。
羽田行き最終便に乗る。その他の便もおおかた終わりで、空港内は閑散としている。開いている店も少なく、土産のたぐいを求めるにも選択肢がほとんど無い。
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コロコロを引き、得物と、それと名古屋で見つけた本物のウォトカがどっさり入った袋を担いで、JALのブースに向かう。ここで心配なのはウォトカだ。液体だから機内には持ち込めないし、そもそもこれ危険物じゃないか?
仕方なくコロコロの中身を整理して、スキマに詰め込んだ。
ブースには若い娘が3人ほど並んでいる。荷を預けると、その一人が事務的に「中身が壊れてもいいですね」と言う。ここでカチンと来た、良いわけがない。
よせばいいのに、良くありませんねぇと答えてしまった。中に何入ってるんですかと娘が言うので、酒瓶がごろごろ、それと一張羅の背広さ、と答える。そのときの私の格好と言えば、これも行き同様、WのOB専用*へなへなのパーカによれよれのジーンズ、頭には手製のタリバンずきん。ご丁寧にずだ袋まで担いでいる。どう見ても、貧乏でヘンなおじさんだ。
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*OB専用:その証拠が右の画像。記念イベントで舞い上がった連中が、勢い込んで作ったはいいものの、売れ残ったらしい。そりゃそうだ、こんなハズカシイ間違いして、堂々と売れないよねぇ。職人さんには罪はないが、監督する立場のWの連中、本ッ当ォ~に馬鹿者どもだ。
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並んでいた別の娘がさげすむように、その一張羅がですねぇ、とか何とか言う。無論話の落としどころは私にはわかっているが、娘どもがピーチクパーチクさえずるのを、のらりくらりとかわしていた。たぶん、ヒマだったんだろう。
適度に切り上げて機に乗り込む。シートは行き同様、プレミアムだ。
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エールフランスだったか、帰朝便を乗り継いだ少数の客と私の他、乗客はおらず空いている。ドン、とドアが閉まる音がし、ひゅるるるとエンジンが回り出す。
おそらくセントレアを訪れるのは、今回で最初で最後となろう。
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機が高度を取る。
行きとはルートが異なり、ほぼ太平洋沿いの海岸線に従って東に飛ぶ。夜景ともなると高度がつかめず、ずいぶん低く飛んでいるような気がする。
だが地形はだいたい、地上の灯火で読み取れる。途中で伊豆半島を通り越したが、全体を眺めるほどの視界ではなかったから、やはり低く飛んではいたのだろう。
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雲が多く、星はそれほど見られない。ただ雲のじゅうたんに1つぶ、宝石が落ちている。あれはおそらくシリウスだろう。それもそろそろ三浦の上空とあっては、地上に向けて機が滑り降りる頃合いだ。
ほぼ定刻、羽田に降りた。これまた閑散とした空港を抜けて、バゲッジクレームのコンベヤへ。出てきたのは私の荷物だけ、開けたら幸い、ウォトカは割れず、一張羅の背広も助かった。
空の旅も良いものだ。次はいつになることか…。
(終)

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