名古屋出張顛末記(2)

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さて737-800君に乗り込んで、自分の席はと探すと、なんだかえらい立派なシート。クラスJとか言うらしい。
この席で合ってますか、と思わずアテンダントに聞いてしまった。
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私は何も考えずに、JALサイトの表示のまま予約を入れたのだが、マイル使うとデフォルトでこうなの?
それとも指定できたのかしら。分不相応な重役出張になってしまった。
隣にお客は無し、もともと広いシートがさらに広く。
このシートは全部で12席ほどだが、通路挟んで反対側は、どっかの学者か技術職とおぼしきおっちゃんが、奥さんとおぼしき人と共に。良く乗るのであろう、アテンダントが床に膝着いていろいろとお愛想を言っているが、どうもロンドンからの帰りであるらしい。
夏目漱石・ぼつちやんおっちゃんは乗り込むやケースを開けて、テーブル引き出して書類の店を出している。アテンダントがそれをとがめもせぬのは、慣れてるから知ってるだろう、ということだ。
私が同じことやったらごにょごにょ言われるのだろうが、なるほど外見なるものは重要である。
さて羽田-セントレアなどという短い航路を、国内移動だけで乗るのは私の様な酔狂人だけだろう。サイン消えたらビールの缶を開けるつもりだから、確かに酔っており、そして普段から狂ってもいる。そう言えば他のお客はいずれも帰朝っぽい荷を担いでいる。格好もそれっぽい。対する私はそなへんのコンビニに行くような格好、シートとは何ともちぐはぐだ。
おまけに離陸時の用心に、くたびれた木綿パーカのフードをかぶりケブラーの手袋を着装。刃物もつかめる優れものだが、生成りだから一見すると、汚ったねえ軍手にしか見えない。膝には自作の灰色手提げ、中には折りたたみメットとその他避難キット。怪しいかどうかは別として、変わっていることには違いない。
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小三治師匠によれば、こういうプレミアシートに乗ると、ちょっと綺麗めのお姉さん方が、何かと寄ってきて何かと面倒を見てくれる、とある。別にそれを期待はせぬが、やはりお姉さん方は寄ってこない。君子ならざるとも、怪しきは敬さずして遠ざく、これ人の世の道理である。
ひと昔前はもっと怪しかった。
乗り慣れている人からみればお笑いだろうが、離陸着陸の用心に、以前は赤軍戦車兵の頭巾を持っていったものである。
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ベースは木綿頭巾だから折りたためるし、なかなか保護性能も良い。耐衝撃性ならタタメットよりいいんじゃないかと思うぐらいだが、さすがに怪しくて今は使わない。
さてやがて機は飛び立ち、一旦東京湾を横切って千葉の上空へ。
さらに旋回して西に鼻を向けて、サインが消えたのをいいことに地上撮影。
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さすがに関東平野は広いナァ、と窓に顔くっつけて眺める。
家並みや川のうねり、すぅっと伸びる鉄道線路など。あれはどこの駅だろうかと想像もする。
飛行機は飛行機だけあって、普段地ビタでうろうろしている視線とは、格段に違ってものが見える。
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単なる移動手段に止まらず、私が空の旅を好むのは、なによりこうした景色がゆえんだ。
加えて知っているよと思い込んでいる、地上の地形や地理といった雑知識が、上空からはなかなか分からないものだと言うこともわかる。
やがて機は、山がうねる上空に達した。
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察するにあれは相模湖であろうか。左手には八ヶ岳の山容も見える。ならばおおむね中央道沿いに、名古屋に向け飛ぶのだろう。
予想違わず、機は南アルプスにぐんぐん近付く。
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普段は遙かに見上げる、峨々たる山脈のてっぺんが、ちょいと手を伸ばせば触れそうなくらいの近さに見える。
普段の感覚で、ビール一本とおつまみもって乗り込んだ私だが、とてもではないがのんびりしていられる景色ではない。
山を越すと、そこには伊那谷。
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いや~、これまた素晴らしい。木曽の山々がずらりと並び、遥か遠くには飛騨の山々が。
今回持ってきたビノはミクロンだが、それで眺めても遥かにかすむ。ただしひょいと見つけた三俣蓮華岳、幼少時よりなじみの山名だが、なるほどその名の通りと大いに納得。
それにしても美しい。書いている今、自分がどんなに筆力がないかを思い知らされる。
エンジン音が上がった。伊那谷を過ぎ、恵那の山々を飛び越せば、もう機は降下に入る。
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アテンダントがコーヒーとアメを配る。手にしたビール缶を見て、中韓いずれかの国籍とおぼしきアテンダントが、ビールには合いませんねと少し笑った。
しばらくしてサインが鳴る。ここからは撮影は出来ない。
見下ろせば、東名や建設中の第二東名、見知らぬ丘にぽつんと建つ大きな工場など。
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ぐんぐん高度が下がる。
機は一旦三河湾に出て、南からセントレアに飛ぶと見える。
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かつて行ったことのある日間賀島当たりで旋回する。海のさざ波がよく見える。
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しかし小さな波だ、と思っていると、船との比較で大波であることを知る。
海面にはところどころ、にゃんこが引っ掻いたような筋がある。それらが同じ方角に走っていれば、風の向きはあちら向きと知れた。
エンジンが、一層の轟音を上げ始めた。もはや海岸を走る車の一台一台も良く見て取れる。
高空ではさほどとは感じなかった飛行機の速度が、それらとの比較でいかにすさまじいかを知る。
やがて景色を後ろにすっ飛ばしながら、機はセントレアに足を付けた。上空からはこう見えるのだろう。
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いや、楽しかった。
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荷を受け取れば、この地で日本一の生産という、まねきにゃんこが出迎えていた。
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時間はうんざりするほどある。さて、どうするかい。

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