階級社会(すたちゅう編)


※前ブログデータ破損に付き再現記事
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03年春、ロンドンを訪れたときの話である。
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その日はピカデリー近くにある、交通博物館を見物に行った。
ロンドンらしく、ずっと雨か曇っていたのだが、その数時間だけ、ぽかぽかと陽気が暖かい。図らずも私はベンチに座ったまま、眠りこけてしまった。
海外で居眠りするなぞ、油断もいいところだが、ここ数日来、荷担ぎ苦力&あやしい通訳&用心棒として、くたびれていたのだ。
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画像出典:http://www.ltmuseum.co.uk/visit
そのようなふんわかした感覚の中に、すたちゅう、すたちゅうと、鈴のような声が聞こえた。むっくり背を起こして目を開けると、子供たちが私を指さして笑っている。それは哄笑(がははとあざ笑うこと)しているのではなく、面白がっていたのだった。
どうやら女性の先生に引率されて、博物館にやってきた子供たちらしい。肌の色は白黒黄色、各種取り混ざっている。まことに移民社会らしい。その格好もいわゆるカジュアルで、日本で見る子供とちっとも違わない。
違うのはしつけの良さだ。ポンニチのガキの、あの凶暴さは見られない。となれば私にすたちゅうキッズを嫌う理由など無く、可愛らしいものだと眺めていた。ピカチュウになったようで面白くもある。
すたちゅうキッズはやがて、次の展示へと移っていった。そのままベンチに腰掛けていた私の前には、しばらく置いて別の集団が現れる。
年齢は先ほどの子たちと変わらない。小学校3、4年生ぐらいか。違うのはまずその色、黒と黄色はわずかにいるが、そのほとんどは白人だ。そして着ているものと言えば、揃いのグリーンのブレザーである。
そして特筆すべきはその行儀の良さである。年齢だけにそこそこ元気ではあるが、すたちゅうキッズのような賑やかさはない。おとなしく先生に連れられて、これまたおとなしく、展示を説明する先生の話を聞いている。
この女性の先生もまた、子供たちをレディとかジェントルマンと呼んでいる。その衣装はまことにトラッドで、地味ではあるが相当にお金がかかっているようだ。
対してすたちゅうキッズの先生は、至ってラフな格好をしてい、中には真っ赤に髪を染めている先生もいる。
こうした対比は、ロンドンではあちこちで見られた。
無論、大英博物館を訪れる子供たちもそうであった。
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この、ブレザーズのような子供は、ポンニチでは見かけない。
無論、東京で電車に乗れば、金の要りそうな学校に通う小学生を、いつでも目にはする。しかしあのような、いかにも頭がよさそうで、もちろん貴族でございます、という雰囲気を持った子供を、私は見たことがない。
しかし、それは悪いことではない。
ブレザーズが去った後、私も身を起こして博物館をとくと見る。
戦時下の展示では、いかに苦労してロンドンの交通を守ったかがよくわかった。
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爆撃の規模が違うから、日本ほどではないが。
見終えて博物館を後にする。
ロンドンの盛り場、ピカデリーの雑踏を抜け、トラファルガー広場へと向かった。
ポンニチとは違い、ロンドンもど真ん中であるにもかかわらず、ちゃあんとバイクの駐輪場が区切ってある。
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義務あらば権利あり。対して都合の悪いところは知らんぷり、そのような行政を持った自国を思った。
広場には、大道芸人が三々五々している。
その一人、中世の兵士の格好をして微動だにしない。見物料を渡して、首をちょん切って貰った。
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ありがとう、と言って去ろうとすると、私の同行者を手招きする。揃って首を切って貰うが、そのサービスの良さにも愉快になった。
まろうどとして、あるいは学生として滞在するには、ロンドンはまことに良い処だと思ったものである。

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