(20):モンキーハンター

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9/7の17時過ぎ、やっとメシにありつくことになった私だが、人の良さそうな店主のおニイちゃんに、とりあえずチャーシュー麺を頼む。それ聞いたおニイちゃん、いなか寿司もありますよと言う。それどんなのですか、と聞けば、こんなのと言って3種類持ってきた。
糖質セイゲニストではあるが、話の種にと1つずつ全種頼む。人が良さげゆえ、余計なことは言わないことにする、こっちじゃこう書くのかも知れないし、いやマジで。
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例えばチンパンジーという文字を地方によって、つんぱんづーと発音して、どこが悪かろう。

やがてチャーシュー麺も来て、それなりにケッコーな夕食となった。
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ところがケッコーでないことが1つある。
店に入る時、子供が一人飛び回っていたのが目に付いた。この山里では、学校を維持するにはとんでもない広域から児童を集めざるを得ず、今日びの児童が、私とメイト君が通ってきたような、とんでもない山奥から歩いて来る根性があるはずもなかろう。ゆえに村内バスみたいなのがここから発着しているのだが、この山深さ、覚えず李白が出てきそうだ。
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 「早発白帝城」(つとにはくていじょうをはっす)/吉右衛門さん風味
 朝辞白帝彩雲間(あしたにじす、はくていさいうんのかん)
 千里江陵一日還(せんりのこうりょう、いちじつにしてかえる)
 両岸猿声啼不住(りょうがんのえんせい、ないてやまざる*に)
 軽舟已過万重山(けいしゅうすでにすぐ、ばんちょうのやま)
(*つきざる、の方が私の趣味に合うが、今回は文脈上こちらで。)

猿声、山猿とはほかでもない。
子供はそのバスを待っているようだったが、私が食事している窓に貼り付いて、まるでエサ食う動物を観察するようにこっちを凝視している。時折ガラスを叩き騒いだりもする。
一応、付き添いらしき人がいて、2、3度は止めなさいと言ったのだが、子供はそれを聞き入れず、相変わらず珍獣・九去堂の観察に熱心だ。

好ましい子供とは、私にとってこういうのを言う。
1.特別可愛らしいこと。
2.良く躾けられていること。
3.私になついていること。
どれか1つでも満たすなら、それで結構だ。

世の親が分かっていないことの1つは、他人の子供とは、上の条件どの1つも満たさないなら、サルより劣りで、あとは親への遠慮ゆえ、ということだ。
同然でなく劣りというのは、サルなら悪さすりゃ、殴ろうが殺そうが勝手、まだましだもんな。

ところがこんな世の中で、いくら害を被ろうと、ただ睨み付けただけで私が悪者になる。今日びの子供はそなへんのこともよく分かっており、睨んだり怒鳴ったりしたぐらいでは言うことを聞かない。

それが分かっているゆえ見ザル聞かザル、じっと我慢のオヤジだった。何か、お釈迦様とかギリシアの哲人の言葉なんぞ思い出しながら。

しかし我慢にも限度がある。だがこういうときにも、世の中に追っ払う方法というものはあるものだ。
やれやれ修行が足りんのう、とくつくつ笑いながら、素早く子供にカメラを向けて、1枚パシャ。そっちがそうならこっちもこうだっ!
これで害獣駆除子供は逃げていった。はっはっは。
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By九去猟友会

そろそろ30分を過ぎたゆえ、ねぐらの前に陣取って管理人を待つ。
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ややあって軽で管理人到着、宿賃払って部屋の鍵を渡される。¥3350也。
ここで管理人、剣山林道ですかと私に聞く。そうだと答えると、全面通行止めだという。この宿は林道の人ばかりで、通行止めになれば誰も来ない、ということらしい。
へぇ~いつからと聞けば、6月の大雨からと言う。かぶせるように管理人、徳島はコレがありませんからね、と指で輪を作って、隣県の財政を評論した。

残念ではあるが、これは事前の情報収集に漏れがあった、私の責任である。と見れば管理人、明日は7時前に出るのかという。そのつもりはありませんが、と言えば、早く出るなら鍵さして、好きな時間に出ていっていいという。はぁそうですか、と返事してまもなく、管理人は自宅に帰ってしまいかける。

あ、ちょっと待った、洗濯したいのですがと言えば、なにがしかのお金を受け取った上で管理人、洗濯機はほとんど壊れていて、1つしか動きません、お客さんがそう言ってました、という。これは少々驚いた。
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というわけで管理人帰る。
林道閉鎖ゆえ、無論この宿も私一人だ。一人というのはいい。悠々と洗濯したり、壊れたと言われその実使い方が間違っていたとおぼしき洗濯機のしつけをしたりしながら、時間をつぶす。宿にはこの手にありがちな、書き込みやら何かがあって、著名なライダーのそれもある。

ホールのベンチで洗濯上がりを待っていると、いつの間にか寝入ってしまったようだ。21時頃に管理人が現れて、電気を消しホールに鍵を掛ける。

せんかたなく部屋に戻って、ホールから持ち出したなつかしいバイク雑誌何ぞを読むやら、シャワー浴びるやらする。この部屋、四畳半ぐらいか。なかなか面白い構造をしていて、トンネルの仮設工事で使うような蛇腹の鋼板を、うまく組み合わせて、居室とトイレ・洗面所・シャワーのユニットを作ってある。一人で占有とはありがたい(混んだらすし詰めらしい)。
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こんな小屋作って住むのも一興だなと思いつつ、いつの間にか寝に就いた。
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※以下は後知恵。そもそもライダーズインとは、バブルの余熱さめやらぬ平成一桁年代、高知県が山村に金を撒いて作らせたものだ。
県役人が考え村役人が管理するのであれば、マーケティングはおろかまともな運営も出来ようはずが無い。バイクの好きな人が、管理人でも買って出れば別だが*、暴走族とライダーの区別が付かない普通の人では、それは無理というものである。
*某ライダーズインは最近までそうだったらしいが、辞めてしまわれたらしい。

奥物部の管理人が、無理やり押しつけられたかどうかは分からないものの、物産館に加えて、一般人には分けのわからないライダーズインの管理まで担当させられているのは、同情するにあまりある。

事実高知のライダーズインは、5つめまで作るには作ったが、あとは嫌気が差したか地元民に理解が出来なかったか、6軒目は国民宿舎にしてしまったらしい。
この施設で国民宿舎?! 私なんぞは根がアウトライダーだから、少々の不便や汚さ古さ、人為にあらざる不快は平気なのだが、甘やかされ何一つ出来ないパンピーに、冷暖房無し(あるところもあるそうな、ただし料金別)、「バンガロー以上、コテージ未満」と言われる所に泊まらせ金取るなんて、ずいぶん無茶な話である。

ま、私としては料金が料金だけに、これで十分だ。諸条件から考えて、採算取れるとも思われないし。
人殺しや抑圧、私利私欲を事とするのでない限り、役人がこの手の変わったことをするのを私は好むが、合法的な不正で私腹を肥やす以外に、お縄にならず役人が金を儲けたという話は聞かないのである。

しかも一般的なライダーズハウスといえば、これよりもっと条件は悪いものだ。
加えてやる気の起きようがない普通の人が、片手間に管理せざるを得ない以上、客あしらいの悪さも、むしろ当然というものだ。客がたった一人じゃ、やる気以前に面倒臭くなるのも無理ないし。


ライダーズイン一覧(2012.09現在)/1泊料金
奥物部(香美市物部町大栃)…¥3350
雲の上(高岡郡檮原町太郎川)…¥2100
中土佐(高岡郡中土佐町矢井賀乙)…¥3150
四万十(高岡郡四万十町井崎)…¥3150
室戸(室戸市室津)…¥3150

いずれも素泊まり、布団無し。ややっ、奥物部が一番高いじゃん。HPに¥3000とあるのはいつのことだったんだろう…。それとも手元のレシート、洗濯機使用料込みだったかな? ¥3000+税+洗濯機、と考えればつじつまが合う。


他の4つのライダーズイン同様、不便なところにあるとぶつぶつ言う向きもあるらしい。そういえばそうだが、乗騎を持ちながら、ライダーに不便な所ってどんなとこよ、不便なところだからありがたいんじゃないか、じゃツーリングになんて出なきゃいいじゃん、と思うわけだ。

いつまで残ってくれてるかは分からないが、末永く残っていて欲しいものである。

本日の走行距離:252.25km

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