(17):リベンジ!四国カルスト


松山でお世話になった学生時代のK先輩は、糸東流空手の使い手でプロの料理人という、まるでONE PIECEのサンジみたいな人である。
当然、めっぽう強い。お前ィ最近やるようだが、得物持っていいから俺とやってみるかと言われ、どうぞご勘弁をと謝った。
それ聞いて、渡辺謙さんそっくりの顔で笑いながら、うんと食えと出される料理の数々、海のものであれ山のものであれ、煮ても焼いても捌いても、そして握っても旨いことこの上なし。
先輩の勉強しているところを見たことがないが、卒業後でさえたいていの試験をすぽすぽと通る達者であり、昔も今も女に良くモテる。
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フィールド技能もすばらしく、そなへんに転がっている材料で弓矢を作り、山のイノシシを狩って自分で捌いてしまえるほどだ。
今回は主に釣りを教わったが、滞在した3日間のことは筆舌に尽くしがたい。
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9/7の0836、その先輩宅を後にする。
それにしてもバイクがちっこくなったのー*、どこそこは道が荒れるから気ィつけろ、何でも無理はいかんぞ、と見送られながら、メイト君のスタータに蹴りを入れる。
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*前回、前々回お伺いした時の乗騎は、重爆RS号だった。メイト君は排気量にして、その1/14よりまだちっこい。
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これから峠を越え、四国を縦断せんとする。
そしてさらに山越え谷越えする。今日は移動日だ。
地図松山物部
まずは松山と高知を結ぶ、峠越えのR33を進む。若き日に逆に北上して、高知松山間を先輩と歩いた道でもある。
目の前に立ちはだかるのは三坂峠。
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この峠には新道が出来ている。しかし原付以下は旧道をゆく。
振り返れば、松山の町並みが一望できる。
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この眺めを、若き日には夜景で見た。疲労困憊して峠近くの茶店でうどんを振る舞われ、その軒先を借りて一夜を過ごした。
その茶店も軒先も、今なお残っている。
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しかし人の気配は全くなく、ゆかりのあった人々が気にかかる。
多幸を念じつつ茶店を後にする。
道を行けば、おお、そこは山の水をくんで飲んだところ、ここはおばあさんにスイカとわらじを頂いたところ、あ、あの軍艦岩のたもとの店で、海部政権誕生をニュースで見てたんだっけと、思い出が鮮やかによみがえる。
私にとってR33はそんな道だが、車通りは少なく、快調にメイト君は進んでいく、上り坂を除いて。
逆に下りは最高だ。なにせ馬体が小さく軽いのである。ブレーキの熱容量にも大幅な余裕があるから、クラッチ切って自転車のように、すぅーーーーーっと下りることも出来る。
そんな面河川沿いの快走路を走っていたら、R440との分岐に出た。
その看板には、「四国カルスト」の文字が。
先ほど抜いた、ベンツの工事車両の黄色い巨体を見送りつつ、止まってしばらく地図を見つめる。
今日の天気はよい、多少の回り道も許されよう。
ならばメイト君、行こうか、四国カルストへ。
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ぐるぐると大きなループを回ってR440に入る。その道沿いには、集落らしきものは何も見あたらない。加えて平日とあってみれば、私とメイト君以外、そこをゆく者も誰もいない。
よく晴れた空と森の間を、メイト君共々抜けていく。
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高度はぐんぐん上がっていく。雲間を透かして陽光がまぶしい。
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これは天空への道か、あ~お迎えかと冗談を脳内で転がしていたら、カルストへの入り口、地芳峠に着いた。
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ここよりR440から離れ、県道を行く。
行けばカルストを見晴らす、姫鶴荘の前に出る。
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ツーリング当初の計画では、ここでテン張りするはずだった。それがざんざん雨で、ガソリンスタンドのおかみさんの情報によりあきらめたことは記した通りである。
メットを脱ぎ、風を感じようとする。場所といい風車があるところといい、ここは風が強いはずなのだが、この時はそよともせず、ふふふとかすかに渡っていくだけ。
さらに道をゆく。その道はまさしく稜線に沿った道で、刃を綱渡りするようなものである。
伊予と土佐の国境でもある。
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天に近付いたゆえか、雲も、近い。
やがてカルストの風景とも分かれ、天狗高原から道を下っていく。
これより、土佐の国。
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この道もまた、山肌に貼り付くような葛折りの道だ。
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道路際から見下ろせば、遙か谷間に金砂のごとく、キラキラと集落が見える。そこへ続くうねうね道こそ、これからメイト君と共にゆく道だ。
その道を、自転車モードでサァーーーっと下る。
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あまりに気持ちよいゆえ、しばらく軌跡をロストする。
その気分を十分楽しんだ後、やがて道は国道に出た。
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そう、私とメイト君は、あの439に帰ってきたのであった。

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