(5):天空の道

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1311、土佐町地蔵寺のガソリンスタンドを後にする。
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四国カルストは断念だ。残念ではあるが、また来る日も来よう。
というわけで私とメイト君は、お日様輝く(と期待した)瀬戸内を目指す。
雨はますます激しい。しかし相変わらず道を西にとり、R194との分岐を目指す。
地図土佐町新居浜1
郷の峰峠を越え、おもかじ一杯。吾北でR194に入る。
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川沿いを北上して瀬戸内を目指す道だ。雨がやや、上がった。
この道も伊予西条・新居浜と言った東予の都市と、高知を結ぶ縦断のメインルートだけあって、トラックが多い。その後ろについてちょこちょこと走っていると、次第に高度が上がってくる。
今仮に四国を、女性の胸部にたとえるなら、向かって右のおっぱいに当たるのが剣山で、左が石鎚山である。そう思えばいかにも四国はなまめかしい。
四国
胸の谷間の石鎚側の際を、私とメイト君はこれから超えようとする。高度を稼がねばならないゆえんだ。
その私はといえば、雨にさらされ、梶ヶ森・四国カルストと、予定の地を2つもあきらめたことで、いささかへこんでいた。首から「悲しみ中」のカンバンを掲げるような気分でトコトコとメイト君を歩ませ、とあるワインディングをくるくる回る。
と図らずも、遙か天空に、なにやら驚くべきものが見える。
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画像で見れば何でもない風景かも知れない。しかし生で見ればまるで違う。
それは深い森から突きだした白壁が、天空を画するようにそびえ立ち、そこから幾筋か、滝が流れ落ちているのだった。R0011100.jpg
後で調べてみると、これらの滝は程野の滝という。
参照→http://www.japankochi.com/hodono/hodono.htm
地元の人々に聞くと、国道から遠望できることは滅多になく、しかも複数見えるのはさらに稀だという。
白壁は定めし、カルストより続く石灰層か。そう言えばこの山の向こうは別子の鉱山、金銀銅は、石灰質の地層にこそ湧くと聞く。
しばらくメイト君を停め、肉眼で見たりツアイスで見たり。雨がざんざん降りでなければ見られなかったはずの絶景であり、そう思えばこそ、首に掛かった悲しみのカンバンは、いつの間にか取り去られていた。
R194に乗ったメイト君はさらに、天空の道を行く。
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国道からはいくつか、林道が枝分かれし、山肌をうねうねと、山を切るようにガードレールの白い線が、霧の先に消えていく。さらに見上げれば、やはりそこにも、林道の白い線が見える。
1419、石鎚の際を貫く、寒風山トンネルを抜ける。
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ここは四国最長の道路トンネルであり、一般道のトンネルとしても、日本一だという。
トンネルを抜ければ…
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そこは瀬戸内、伊予の国である。
いつもさんさんとお日様が照る、と言いたいところだが、雨はまだ続いていた。
残念、再びカンバンを掛けようかしらとも思う。しかしまぁ、海岸近くに降りれば、日帰り湯が何軒かある。♪お湯じゃ、お湯じゃ、と気分を奮い立たせ、西条市の市街に入る。
地図寒風山新居浜
R11に乗って道は東へ。雲はますます厚い。
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しばらくいくと日帰り湯、武丈の湯がある。この手の情報が充実しているから、ツーリングマップルは手放せない。
1450、武丈の湯着。¥400也。
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着てるものを脱いで風呂場に入る。見ればサウナがある。サウナについては以前書いたが、うだった後水風呂に飛び込むと、脳内麻薬どばどばで私は大好きだ。
サウナに入ると、伊予のオイサンが若いもんと共に赤くなっている。
オイサンは近所のとあるオバサンについての講釈を、延々と若い者にしている。無論伊予言葉でだが、今仮にそれを関東方言で記せば、このような意味であった。
「あのおばさん、若い頃は、それは美人でオッパイぼよよんだった」
「はあ」
「それが何の病気か知らないが、急にしぼんで」
「へえ」
「あれは何の病気なんだろう」
「さあ」
「それにしても若い頃は(以下同内容)」
そこへ別のオイサンが入ってくる。あー、とか、がー、とか言いながら、どっかと腰を下ろしたオイサン、サウナの中で体操を始める。
体操が佳境に入った頃、このオイサンはぶぅと一発催した。想像して頂きたい、サウナの中でぶぅである。ナチも考えつかないガス室だ。
その刹那、講釈中のオイサンは話しを止め、私ともども一斉にそちらを見る。しかしこいたオイサンは意にも介さず体操を続ける。数瞬後、講釈のオイサンは何事もなかったかのように、若い者へ同じ講釈を再開した。
精神が軟体動物になったような気分でサウナを出る。何かをしなくちゃとか、こうでなくちゃとか、そういった事どもがどうでも良くなってくる。いつものことだが、私にとって伊予とはそんな、精神にとてもよく効くクスリなのであった。
1537、武丈の湯を出て今夜のねぐらに向かう。目指すは新居浜市民の森キャンプ場である。
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40分ほど走り、1621到着。ここは新居浜の東端で、少し先の小さな峠をいけばもう、四国中央市だ。
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かなり大きな公園なのだが、入り口に大きくよく分かる門があって、その前はコンビニという、キャンパーにとってはまことにうってつけの場所である。
管理棟らしき所に至ると、数人のオイサンたちがかたまっている。聞けば公園にイノシシが出て、駆除に行ったという。えっ、それでどうなりましたと驚くと、ウリ(坊)は捕まえたが親はどっか行った、という。ま、大丈夫だろうと腹をくくる。
管理棟で受付を済ませる。雨だから大変だね、今日は誰もいないから、テントは東屋に張るといい、バイクは管理棟の軒下に、と管理のオイサン言う。ありがたや。
お言葉に甘えて屋根の下テン張りする。この雨の中では、火を熾し飯を炊く元気はない。しかも東屋は火気禁止だ。
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それゆえ1632、メイト君で門前のコンビニに行き買い物をする。¥1688也。
買っているうちに止んでいた雨が大雨となり、こりゃあいかんとテン場に逃げ戻る。
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買ったのはチキンのあぶりものやらビールやらタバコやらパスタやら。野菜ジュースと乳酸菌も忘れずに。画面のペットボトルは、持参のウイスキー。
ラジオを点けて気象を聞きながら夕食とする。見渡せば西の方角、今治・しまなみあたりは夕焼けっぽく明るい。それ以外はどんよりしている。時折遠くに、ピカッと雷光が走るのも見える。
それを証するように、ラジオは今後も天気が悪いという。今夜はさっさと寝るしかない。
本日の走行距離:192.24km

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