(2):小便小僧の谷


8/30の1318、徳島に上陸した私とメイト君だが、本日の行程は祖谷のかずら橋たもとにある民宿まで、おおよそ110kmである。祖谷峡に入るまでは平坦な道だから、3時間もあれば着けるだろうと想像した。
地図徳島祖谷
1334、ググルの地図にもまだ載っていない、東環状大橋を渡って吉野川の北岸へ。
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通常ならR192、伊予街道を通って川を上るのだが、得てして面白い道というのは、国道ではないことが多い。ゆえに、河畔に沿って西に向かう、県道のコースを選んだ。
1346、名も知らぬ橋が見える地点で、家族や事務所にメールを入れる。
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ここから先、ウィルコムでは無線封止状態になるのが目に見えているからだ。
地図ウィルコム
雲多く湧く陽光の中を、ひたすら西へ西へと進む。
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地元の軽やトラックの後ろを、とことことメイト君は行く。時折速い車に突っつかれることもあるが、お先にお行きなさいと道を譲る。原付ならではの、ストレスのたまらない道行きだ。
やがて、町並みの中を縫って進むようになる。
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この道はどうやら、旧街道であるようだ。時折小雨もぱらつくが、天の模様を見てまだカッパを着ずに進む。
1509、走り出してから2時間が過ぎた。
道路脇にあるサンクス三野町店で、最初の補給。といってもこれは人間だけ、書いている今レシートを見るとタバコの他、野菜ジュース、ヤクルトミルミルを飲んだらしい。全てで¥736也。
それと、チューブに入ったバニラアイスも。アイスなんて何年ぶりだろう。それぐらい暑かったのだ。
なおあとで分かったことだが、四国のコンビニはたいてい、酒とタバコがおいてある。私にはまことに使い勝手がよろしい。
1537、阿波池田の手前で橋を渡って、一旦R32に入る。
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さらに高知方面に向かってトコトコ行くと、やがて祖谷渓に至る県道に分かれ、元気よくメイト君は行く。
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初めはこのような2車線道だが、進んでいくと普通車1台が通るのがやっと、という細道となる。
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かような細道こそメイト君の本領発揮、ただし例によって上り坂だから、2速でみー、3速でもー(以下「みーもー」)という、自転車並みの速度となる。しかし前にも後ろにも誰ぁれもいないから、ぜんぜん気にならない。
細道を行くこと20分強、今日最初の目的地である、祖谷の小便小僧に至った。K0010023.jpg
これなる小僧、道の脇に目立たぬよう立っている。気をつけていないと見過ごしてしまいそうだ。そして目もくらむような渓流に向かって、しょんべんを垂れる、格好をしている。
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からくりは仕掛けていないようなので、実際に垂れることはない。
こんなところからしょんべんを垂れれば、さぞかし気持ちよいだろうなとは思うが、柵を越えるのはオソロシイのでやめにする。
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それにしても画像では分からないが、小僧の周りにあまたのお賽銭があった。別にありがたがるようなものではないと思うのだが。
小僧をあとにし道を行く。
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やがて集落が開け、かずら橋の近くに至る。
1632、到着の見込みを付けて給油。祖谷口以降の細道で、結構時間を食ってしまった。給油所のおやじさんも立ち寄り中の郵政ライダーも、東京ナンバーと見てびっくりする。
この時点でオドメータは7038.6km、給油量3.9L。出発の際記録し忘れたから、燃費は計算できない。
それにしても代金は¥573と、原二の旅は本当にお金がかからない。
給油を終えて宿に向かう。その手前で道は分かれる。新道の先には、谷間に無理やりこしらえた、大規模な構造物がある。巨大な箱車に載せられた人々を誘ってあれこれを売りつけるべき、どこにでもありそうな施設だが、それとは対岸の、別の道に入って今夜の宿を探す。
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崖にへばりつくような道をうねうねと行けば、それらしき宿が見つかり、おかみさんが前庭でたたずんでいた。
無理もない。私はネット経由で予約したわけで、おかみさんにすれば、そういう声も聞いてないような客が本当に来るかどうか、心配なのは当然のことだ。しかもすでにオフシーズン、客は私一人であり、私さえ来なければ、のんびり一日を過ごせたというものだ。
それはともあれやれ到着、ただ今の時刻、1643であった。
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小便小僧の時間を考えても、細道+坂道であるからには、見積もりよりも時間がかかるものである。
宿の前の前庭は、駐車場になっているのだが、平坦なところがどこにもない。谷間にへばりつくように、と書いたゆえんである。メイト君をつなぐポイントに迷っていると、離れの脇なら大丈夫、とおかみさんに案内される。
それなる場所にメイト君を停めると、おかみさんが車止めを持って来、後輪においてくれた。存外、ライダーの客になれているのかも。
宿は決して新しい建物ではないが、よく手入れが行き届いている。
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部屋に通され、どうしますかというので風呂を所望、一風呂浴びる。うっかり網戸を開けて首を出し、外を眺めていたらアブが飛んできた。それとの格闘を終えて出てきたら、おかみさんとおばあさんが、もう出てきたのと驚く。いや、江戸っ子ですからと冗談を言う。
落ち着いたあと、流しで洗濯をする。
固く絞って軒先に干していたら、おかみさんが干し台に干したらどうか、ついでに脱水もしてあげようという。至れり尽くせりですね、と私が言う。
夕食は案内された通り、鮎と祖谷そばが主なおかず。機嫌が良くなった私は、ビールを1本付けて貰う。
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夜。
空を見上げると雲が多い。晴れていたらすばらしい星空だろう。今夜は雨が降るだろう、とおかみさんが言う。実際、夜中にかなり激しく降ったようだ。
部屋に戻って持参のウイスキーをちびちびやっていると、いつの間にか寝てしまった。
本日の走行距離:116.34km

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