(1):旅の始まり

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夏のある日。
大口の契約が取れるかどうかの交渉がはかどらず、気を揉んでいたら、ふと旅に出たくなった。
立場上、勤め人よりは時間の自由があるものの、その代わり自分で自分を制限する生活が長くなる中、こういうじりじりする場面に、ふとかき消えてしまいたくなる、時がある。
思い立ったら何も考えず、まず大まかな行き先をばんと決めた。行き先は四国である。
四国は、生まれて初めてぶらぶらとした旅を経験した場所だ。その後何度出かけたか、もう覚えていないほどだ。
若い頃は歩き遍路に出たこともある。お天道様が良く照り、もの成りが良く、人気(じんき)がよろしい。旅の者をいじめてはいけませんという、お大師さんの教えが根付いているくにでもある。知人友人も多い。
いつものように、船の切符を取り、現地の知り人に連絡するなど、旅に出ざるを得ないよう自分を追い込んでいく。装備の点検と改良も進める。
それでもなお、出かけるのめんどくさいな-、などとぼやいていたら、当日を迎えてしまった。


四国行きの船は、東京港を夕方に出る。
かつては、苫小牧行き、那智勝浦経由高知行きなど、複数の便が東京よりあったが、いまはもう、この徳島経由北九州行きのみ。それでも毎日便があるとは、アウトライダーにとってありがたいことである。
8/29、沈みゆくお天道様と追いかけっこしながら、港に向かう。
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すでに8月も大詰めとあっては、受付は閑散としていた。いや、このターミナルはいつもこうなのだが、船便がいつまで続いてくれるやらと心配にもなる。
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バイク・自転車の乗り込みレーンにメイト君をつけ、乗船を待つ。私の他は、北九州まで行くと見えるBMWなど2人のみ。
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1930、定刻通り出港。
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ゲートブリッジの通過を見守る。
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風呂に入り、長距離トラックの運ちゃんと雑談するなどして、ねぐらに戻る。今夜の飲み料は、行きつけの酒屋で買った泡盛だ。一瓶空ける頃、すぅっと寝てしまった。
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夜が明けた。今は尾鷲沖あたりか。
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天気は可もなく不可も無し、といったところ。
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波は穏やかで、ああ船だねぇと言う程度にしか揺れない。6年前に乗った時は時化ていて、ぐぐぅ~と持ち上げられたかと思うと「ドーン!」と轟音が、なんてこともあった。
この航路には2種類の船が計4隻就航しており、今回の船は全室2等寝台・食堂無し、のタイプ。その代わり冷凍食品をチンする自販機がある。
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さほど腹はへっていないが、何も食わないのもどうかと思いカレーを食う、たしか300円だったかな。
見覚えのある陸地を左右に見つつ、定刻通り船は徳島港に近付いた。
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ゲートが開き、メイト君を騎りだす。さて、どんな旅になるのやら。
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