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シンガポール時間の1330ごろ、マリーナベイサンズを降りて外に出る。どこに行くという当てはないから、元来た道をまずは戻ることにする。ただし、行きに渡った人道橋とは、道路を挟んで反対側。

ほぼ河口近い、ベイフロント・アベニューの橋を渡っていると、隣の高速道路を走る車がよく見える。好景気だけに物流は盛んのようで、トラックのたぐいがよく目立つ。その背景となる天空には、時折飛行機が飛んでいる。そのいくつ目にか、戦闘機が飛んできた。

画像では分かりづらいがF16である。
3機ほどが、次々と着陸態勢を取って降りてきた。
シンガポールの経済規模は、wikiによれば2008年のそのGDPは、単純計算(MER)で1800億米ドルである。対して日本のGDPは4兆8800億ドル、27倍だ。その1/27の経済力で、F16ばかりか、F15まで持っている! そして近々F35も。
海軍もまた、駆逐艦ばかりか潜水艦まで持っているから、
かなりの重武装国家と私は思うのだが。言うなれば、福岡県がその経済規模と、それをかなり下回る人口で、こうした兵器を取りそろえてがんばっている(→参考)ようなものだからだ。
(なおあまり意味はないが面積では、シンガポール島だけでも全領土の合計でも、対馬より大きく、奄美大島より小さい。)
シンガポールの国政については、いずれ記すかも知れないが、軍事だけに限っても、その地理的位置といい、なんだかイヤぁ~なものを感じる。無論彼らにしてみれば、それ相応の理由はあるのだろうが。
例えば、マレーシアから追い出されたという独立の事情が事情だけに、また、すぐ隣にインドネシアという、凶暴な軍事国家があるだけに、仕方がないということである。
しかし、何かと日本の悪口を言いふらす事と言い、あんまり好意的になる理由はなさそうだ。これ以上、上等ぶっこいたら、もっぺん山下将軍の銀輪部隊で、占領してやらにゃあならんな。

無条件降伏か、YesかNoか!
さてそんな事はきれいさっぱり忘れて、今はこの光景を楽しもう。
橋を渡り終わって対岸に渡ると、なんだかガラの悪そうな白人の若い連中が、ガヤガヤとやってきた。ステッキを持っている私は別に恐れはしないが、一応、どうやってどいつからどのように叩きのめしてやろうかと、ざっとシミュレートする。
…いやいやいかんいかん、危険を察知し争わないように振る舞わねば。それこそ随所に主となる、自由自在心の心得である。そいつらぁを尻目に横断歩道を渡り、湾をぐるりと回って散歩することにする。シンガポールの歩行者用信号は、旧宗主国イギリスと同様、大きなボタンを押して、青の間だけポコポコポコと、タヌキが入っているような音がする。
建物に遮られているゆえ、一旦はラッフルズアベニューを西に向かうが、隙間を見つけたので湾=川縁に出る。散歩するにはまことにちょうどよいお天道様のご機嫌で、微風に吹かれながら気持ちよく歩く。
少々のどが渇いた。無論ペットボトルの水は持っているのだが、ここは少々、コクの付いた飲み物がほしい。見ればおあつらえ向きに屋台が出ており、テケトーな食い物飲み物アイスを売っている。
但し望みのビールはなかったから、ご当地エナジードリンクを試してみる、1.6ドル。

腹張れ共の摩天楼と、健気なるマーライオンを眺めつつ、ベンチに座ってゴクリと飲む。この屋台のオヤジもそうだったが、シンガポールの物売りは、だいたいが貧乏そうなチュコク系が多い。カスリ取りの白人及び上級華人、次いで様々な黄色いの、そんで底辺が黒いのという、実にわかりやすい社会構造だ。
周りは相変わらず閑散としている。飲み終えててくてく歩いていると、橋の下で別の屋台のチュコク系が、ぐうぐう昼寝をしている。その姿勢は頭から腰を地面に付け、なぜだか大股をおっ広げて膝を高く上げ、汚い草履を履く。こうした街頭での寝方、本国チュコクでもよく見かけるが疲れないのかしら。
地下道みたいな人道トンネルを通って、フラートンロードの橋のたもとをくぐる。罰金社会シンガポールだけに、バイクは通るな、自転車は降りて押して歩け、そうでなきゃこんな罰金をくれてやるぞと、いちいち脅しが書いてある。いずれ私にも分かったことだが、これはこれで仕方がないのだろう。
トンネルを抜ければ、そこはもう湾というより川である。摩天楼が建ち並ぶ対岸は、その川縁に食い物屋が並び、水際はさらにそれらのあずま屋である。ふむ、私は行ったことがないから勝手に、この景色を「にせベネチア」と命名する。

対するこちらの岸は、博物館やら記念碑やらのたぐいが並び、いわゆる観光散歩道と言ってよい。対岸と異なり飲み食いは、主に自転車で引いた屋台が担当する。加えて樹木があまり手を入れずに残されており、これはこれで気持ちがよい。
そんな一本に、こんなのがあった。

「この枝に 登るべからず 警視庁」と言った具合で、ここにもいわでもがなの禁則が書いてある。んじゃ枝じゃなく幹に登るのはかまわねぇのか。
ガキじゃあるまいし、ガキとバカは書いてあってもよじ登るだろうし、このあたりは日本そっくりなパターナリズムだが、脅すだけ脅して普段はめんどくさいから見て見ぬふり、都合のいいときだけとっ捕まえるという日本のやり口は、この国ではどうなっているのかしら。

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