昭南島往還記(2)

スポンサーリンク

2140ごろ、天神湯を上がって羽田空港に向かう。その前に、すっぽんぽんで久しぶりに体重計に乗ってみる。

アリリ? …じぇんじぇん変わってないじゃん。でもズボンは確実にゆるゆるになってるし…てことは?

ハラのお肉が、どっか移動したんだな。

さてこんな時間だから、京急空港線は空いている。しかもころころケース持った、これから飛行機に乗る人ばかり。2210ごろ、国際線ターミナル駅着。

長いエスカレーターに乗って出発ターミナルに向かう。その壁には、税関のお姉ちゃんが大阪方言で脅すポスターが、文革期の壁新聞みたいにぺたぺた貼ったぁる。

…そりゃいいけどお姉さん、ポスター撮るのにすっぴんはよしましょうよ。女の子なんだからさ。

エスカレータを上がりきると両替屋が店を出している。現地で仕事をした人の話によると、日本の両替屋はやたらと高く、チャンギ空港に着いてから替えた方がいいという。でもまぁ、念のため1福沢替えておく、だいたい1シンガポールドル=70円也。

さてころころ引いて閑散とした空間を曲がれば、どど~んと広い出発ターミナルである。
チケットは既にプリントアウトしてあるから、カウンターに寄る必要はない。それよりも私にはすべきことがある。

というのは、シンガポールはやたらとたばこの規制が厳しく、持ち込んじゃったら1本から関税を払わなくちゃいけないし、ばっくれててばれたら、とんでもない罰金を払わされるという。ゆえに今手持ちのたばこは、全部ここで吸いきってしまわねばならない。

案内所のお姉さんに喫煙所の場所を確かめ、まずは出国前に吸う。しかし吸いきれず、仕方が無くセキュリティの列に並ぶ。

次いで出国審査だ。最近の管理官は、役人とは思えないほど腰の低い人が多い。ほかに向こうから挨拶する役人なんて、これからとっ捕まえてカモにするつもりの、悪の一味しか見あたらない。

このとき隣のブースに座っていた管理官、とても愛想よく、「はい、こんばんは! …行ってらっしゃい! お気を付けて!」などとにこやかに対応していた。

一連の手続きを終え、外に出る。免税店に寄ろうとも思うが、たばこが持ち込めないんじゃ、特に寄る必要はない。ただぼんやりと眺めていたら、そうだ今夜の飲み料を確保せにゃ、と考えた。聞くところに寄ると今夜の便は、まともにエサも酒も出さないと言うからだ。

ふと見るとジョニ黒が、とってもお安く売っている。ついふらふらと買ってしまった。

ただ今まだ23時、まだ離陸までは1時間ほどある。フードコートで酒でも飲みつつ、たばこを呑みきってしまおうと考える。そう言えば少々腹も減った。

糖質セイゲニストとしては、メシはまず第一に肉、そして野菜だ。しかし普通は、こんなメニューにありつくことは出来ない。どうしても炭水化物主体にならざるを得ないが、その場合はなんと言ってもカレーだ。特にチキンカレーがよろしい。

カレーをつつく大きな窓から眺むれば、これから乗るB767が待機している。ぼんやり過ごすがなかなかたばこが減らない。いつもと正反対で、吸わなきゃいけないとなると吸えないものだ。

ヒマだから先ほどの両替レシートを出し、時計の計算尺をレートに合わせる。

ここで筆が鈍るのもむべなるかなだ。私は厭人癖が強い面倒くさがりだから、何かを「しなくちゃいけない」となると、とにかくうんざりする。旅にしたところでそうで、これほど旅を喜ぶ者であるにも関わらず、出かけざるを得ない状況に自分を追い込まないと、ちっとも出かけることをしない。幸運有っていまこの空港にいるのだが、それでも倦怠感に包まれているのだ。おっさんはとにかく、わがままである。

そうこうするうち、搭乗せよとアナウンスがある。ま、そんなに急ぐこともないから、悠々と吸いきってから搭乗口に向かう。さて、どんな旅になるのやら。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする