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伊豆大島三原山の周囲は、広く火山の噴出物が露出している。それは同心円状に、溶岩と火山灰・スコリア*で覆われ、海に近づくに従って草→木、と大きな植物が生えてくる。
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*と言うんだそうだ。黒くて、小穴が沢山開いた小さな溶岩とその粉末。焼いて泡立って炭になったコンペイトウを想像して下さいな。
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そんでもって火山を輪のように取り巻く、ほとんど植物のない地帯を、島では砂漠と言うんだけど、これは国土地理院も認める、日本でただ1つ?の砂漠なんだそうで。
その砂漠、比較的開けて集落の多い西側を表砂漠、あまり人の住んでいない東側を裏砂漠って島では呼ぶ。
砂漠って言うと、アラビアとかタクラマカンとか、らくだ色の砂がどこまでも広がる景色を想像するけど、伊豆大島ではその色は黒い。港の荷役さんの話では、86年の大噴火前は、島のもらくだ色だったんだけど、噴火で降り積もったスコリアで、一面真っ黒になっちゃったらしい。
その裏砂漠に入るルートは大まかに3つある。

1つは★から入る月と砂漠ライン、観光協会も宣伝に力を入れている、比較的整ったコースだ。もう1つは★★★のテキサスコース、これはあまり情報がない。最後の真ん中の★★が、大砂漠コース。これについてはバイク乗りの先達が入った記事とかを読んでいたから、今回はここから旗印のあたりまで行くことにした。
しかし入り口が良くわからない。★の月と砂漠ラインは観光の目玉だけあって、看板が整っているのだが。ところが有り難いことに、前日にキャン場の先客Oさんが入ってるから、詳しく教えて頂く。
月と砂漠の看板を通り越してさらに北上数キロ、道の山側に入り口が大きく広がってるよ、とおっしゃるので、それを頼りにメイト君を歩ませる。

やがて話違わず、それらしきところが現れる。あ、思い出した、初日に南下して、こりゃスゲーなー、と思っていた場所だ。道の海側に、緊急避難用の巨大なコンクリ管が寝かせてあり、山側に黒々と視界が開ける。

林道の入り口もそうだけど、オフロードの走り始めは、オンロード以上にわくわくする。この先何があるんだろ感が強いのだ。さ、メイト君行こうか!

BGMはこちら
コケそになってもすぐ足着くし軽いから、コケないのが原チャリOFFのいいところ。
動画にあるように、道を上りきるとズドンと広大な景色が広がる。

1105ごろ、「これ以上は立ち入らないで下さい」と書いた看板の所に着いた。それを三脚代わりに記念撮影。

道はこの先もまだまだ続いていて、実のところ初日に歩いたカルデラを抜け、御神火茶屋経由で島の西部に出られる。Oさんが前日通ったことでそれは証明済みだ。ただしそのためには、画像よりも左の道を進んで、このスコリアの峠を越さねばならない。もし右の道を行くなら、大島温泉ホテルへと至る。
越しても良いのだが船の時間があるし、看板にそうあるからには、今日の所はおとなしくしよう。多くの観光客も同様にしているらしく、看板のまわりは引き返した車の轍がコンパスのように。

…と思ったら、もうもうと砂煙を上げて、車が一台私のかたわらを通り越していく。どうすんのかナ、と見ていると、看板を左に進み峠に向かって突進中。勇ましいねぇ-。で、豆粒みたいに遠くなって、かなりきつい勾配の、峠のあっちへ行っちゃったかと思いきや、その手前で引き返してきた。ナンバーを見ればレンタカー、中身はニイちゃんネエちゃんの詰め合わせ。他人の車だから無茶できるんだよなー*、でも無茶しきれないんだよな-。お気を付けてね~。
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*観光協会のサイトによると、これで車ブッ壊してトラブルになる例があるらしい。
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メットを脱いでしばしたたずむ。冷たいがかすかな風が吹き抜けていく。聞こえるのはそのふふふ、というようなかそけき音ばかり。まことに静か。

こんな所にテント張って、眺める星空はどんなもんだろ。いつかやってみたい気がするし、テキサスコースもメイト君で抜けてみたい。それとも今行くかい?

やめときましょうぜご主人、と言われそうなのでやめておく。事前の情報収集は万全にしておかないとね。
15分ほど過ごして、この地を去る。下りの道の先には青い海。そこへ突っ込むようにして、伊豆大島一周道路に戻っていく。

戻れば一周路を岡田港に向かって、トコトコと北上していく。時間は十分にあるから、この景色を楽しみたいし、それにもう帰っちゃうんだなと思うとなおさらだ。

初日には反対方向へ、真っ暗な中を進んだ椿のトンネルの前で、しばし写真撮影。

島東部の小さな集落をいくつか抜けて、1150ごろ、岡田港に帰り着いた。

船出までには2時間半もある。ゆっくり、ブラブラしよう。
(つづく)

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