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郷土資料館を辞した私とメイト君は、御神火温泉に向かう。場所は資料館から、元町に向かって戻り、昼食を摂った島にゃんこのお店のすぐ近くだ。

↑この画像は御神火温泉のサイトから拝借

只今時刻は1420ごろ。画像の奥はるかに見えるのは伊豆半島、右手に建物がチロと見えてるのが温泉。ずいぶん立派な施設で、お風呂の他温水プールがあり、食堂なども併設している。
メイト君を屋根付き駐輪場につなぎ、私は中へ。この施設はやはり観光客を配慮して、夜行便の船が着く期間は0630より開いている。真摯にお客様をお迎えしたいとの、島の人たちの心意気だな。閉まるのは2100だから、テン張りするのら旅人にも利用しやすい。
施設はまだ新しく、整備も行き届いている。1点難があるのは脱衣所で、カゴ方式ではなく有料のロッカー式だ。ただし靴箱はお金が戻ってくるタイプだから、貴重品を靴と共に入れロッカーは開きっぱなしで使った。
中にカメラ持ち込むわけに行かないから、ここは拾いもの画像で。
浴室に入る。

かけ湯・洗い場と、大きな窓が海に面した大浴槽、同じく中浴槽があり、両者で湯温を変えている。その他寝湯のジャグジーもある。露天風呂はないが、サウナはある。これは有り難い。
私はサウナが好きである。真っ赤になってうだり、15分ほどしたら水風呂に飛び込む。顔だけ出して水風呂に浸かっていると、ぼぉーっと気が遠くなってくる。視線は天井を向いているわけで、やがてその天井が回り出す。脳内麻薬ドバドバ。
それを思ってにやにやしながらサウナに近づくと、人の出入りもないのに、そのドアが小さく開いたり閉まったりしている。これは妖怪のしわざかと思ったら、ょぅι゛ょのしわざであった。
中に入ればその父親と思しき、情緒不安定っぽい若いのが座っている。あとはょぅι゛ょの他には誰もいない。お好きな方にはたまらないかも知れないが、私にはその趣味はないので面白くとも何ともない。
ょぅι゛ょは熱さと退屈さで、ドアを開け閉めしたり砂時計を頻繁にひっくり返したりしている。時折わめいたりもする。これは無理のないことだ。若いのはそのたびに文句を言うが、それでょぅι゛ょがおとなしくするわけがない。若いのますます神経質になってょぅι゛ょを叱り、ょぅι゛ょはわんわんわめく。
やがてあきらめたと見え、ょぅι゛ょ親子は出て行った。
サウナと水風呂を堪能して、温泉に浸かる。夕暮れ前の日の光が金色になって差し込み、湯はあくまでも滑らかだ。溜まった疲れが溶けていくようで、よくぞ日本に生まれけりである。御神火様のお恵みじゃあ。
風呂から出て脱衣所で体をさましていると、入り口で掃除のおばさんの丁寧な声が響く。
いらっしゃいませ、ありがとうございますと、目にした客に挨拶もしている。まことに接客業の鏡と言うべきだ。
この島と名前にゆかりのある某老舗うなぎ屋の連中も、ここで半年ほど修業するがいい。浅田次郎さんがへたに褒めちゃったりするから、思い上がってあんなふうになるのである。いにしへの味は習い継げず、語り継いだだけと白状するのは正直でよろしいが、せめて客あしらいだけでも見習ったらどうだろうか。
ちょっと脱線するが先日京都(→)旅して思ったのは、西日本に比べて東京人というのは、ものの価値がわからないことだ。自分で決められないと言い換えても良い。権威や価格に本当に弱い。ゆえに高いだけでうまくも何ともない食い物が流行ったり、流行ってるから商人道徳を忘れた店がますます繁盛しちゃったりもする。小三治師匠がまくらでからかう、「まぼろしの○○」なんてのに行列を作ってる連中を見ると、どうかしてるんじゃないかと私も思う。
閑話休題。
あまりに気持ちが良いから、風呂でゆっくりしすぎてしまった。まだ4時前だが、日が落ちてはテン張りが面倒である。こりゃいかんとメイト君の元に戻り、ねぐらであるトウシキキャンプ場に向かう。

ところが、あまりに見事な夕暮れのため、ついついメイト君を停めて写真を撮ってしまう。

入り口でちょいと迷ったが、観光案内所で教えて貰ったおかげで、1600ごろ、無事トウシキキャンプ場に着く。所要時間は20分強。

このキャンプ場は広大で、設備も良く整っており、ゴミのたぐいも落ちていない。芝生のテン場が数カ所、屋根付き炊事場やかまど、トイレもある。
ただ予想どおり、風が何とも強い。今当日の風速を気象庁のページで確認すると、測候所で瞬間17メートルとある。しかもここは海のそば、まるで台風並みの風の中をテン張りする。
まずは背の低い松のかげに設営した。こたびはペグ打ちも多くして、風に備える、というか、打たねばとてものこと耐えられない。それぐらいの風であった。

しかし一旦設営し終えてから炊事場に向かうと、その先に先客(静岡からいらしたOさん)のテントが1張り張ってある。どうやら風もこちらの方がゆるやかのようだ。しばし迷った後で決心し、落ちる夕日と競うように、も1度テントをこちらに張り直す。

…なんとか設営完了、間に合った。
(つづく)

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